Copyright (C)2007 hokusetsu legal office.All rights reserved.

1.通則
(1)医療法人の果たすべき役割の明確化
改正医療法 四十条の二
医療法人は、自主的にその運営基盤の強化を図るとともに、その提供する医療の質の向上及びその運営の透明性の確保を図り、その地域における医療の重要な担い手としての役割を積極的に果たすよう努めなければならない。
(2)自己資本比率の見直し
従前、定められてきた自己資本比率に関する要件(病院を開設する際には、資産総額の20%以上の自己資本が必要であること)が廃止されました。
ただし、業務を行うのに必要な施設、設備又は資金を有しなければならない、という要件は従前どおり必要です。(2ヶ月分以上の運転資金を有することなど)
(3)指定管理者制度にかかる規定の整備
従前から、医療法人が地方自治法上の指定管理者として公の施設である病院、診療所等の管理を行うことは可能とされてきたが、当該病院、診療所等の業務については、当該医療法人が自ら開設する病院、診療所及び介護老人保健施設の業務(いわゆる本来業務)と同様に位置付けられることが明確化された。
(4)附帯業務の見直し
医療と福祉の更なる連携を図る趣旨から、医療法人が附帯業務として行える業務の範囲が拡大された。
医療法人が行うことができる附帯業務(医療法42条1項)
1.医療関係者の養成又は再教育
(自院の後継者に学費を援助して医学部・歯学部等に学ばせることは対象外ですが、「柔道整復師」「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師」の養成施設については、医療関係者に準ずるものとして認められております。)
2.医学又は歯学に関する研究所の設置
3. 巡回診療所などの開設
4.疾病予防運動施設の設置
5.疾病予防温泉利用施設の設置
6.保健衛生に関する業務
①薬局 ②施術所 ③衛生検査所 ④訪問看護事業 ⑤介護福祉士養成施設
⑥ケアハウス ⑦ホームヘルパー養成研修事業 ⑧難病患者等居宅生活支援事業
⑨乳幼児健康支援一時預かり事業 ⑩訪問介護等の介護福祉事業
⑪介護予防サービス事業等 ⑫助産所 ⑬歯科技工所
⑭福祉用具専門相談員指定講習
7.社会福祉法による事業の実施
①保育所 ②老人居宅介護事業等 ③障害福祉サービス事業
④精神障害者社会復帰施設設置
これに加えて、有料老人ホームの経営が可能となりました。
(5)役員に関する見直し
医療法人の適切な運営を確保する観点から、以下の見直しが行われました。
1. 役員の任期は、2年を越えることができなくなりました。(再任は可)(46条2Ⅲ)
2.監事の職務が明確化されました。(監査報告書の作成など)(46条の4Ⅲ)
3.監事の定数について、理事と同じく、定数の5分の1以上を超えるものが欠けたときは、1ヶ月以内に補充しなければならなくなりました。(48条の2)
(6)社員総会に関する規定の見直し
社員総会についての規定を明確にするとともに、社員の議決権について各自1個であることが明定されました。(48条3、48条4)
持分に応じた議決権を与えるのは、営利法人と同様になってしまうので、妥当ではないと考えたからです。
(7)評議員会の設置
財団たる医療法人については、法人の重要事項に関する諮問機関として、評議員会を設けることとし、これに伴う規定が整備されました。(49条から49条の4まで)
(8)定款および寄附行為の見直し
上記(3)(6)(7)の見直しにより、医療法人の定款又は寄附行為の記載事項として以下の事項が追加されました。(44条Ⅱ)
① 当該医療法人が地方自治法に規定する指定管理者として管理する公の施設である病院等の名称及び開設場所
② 社団たる医療法人にあっては、社員総会に関する規定
③ 財団たる医療法人になっては、評議員会及び評議員に関する規定
(9)残余財産の帰属先に関する見直し
医療法人の非営利性を強化する趣旨から、定款又は寄附行為において、解散に関する事項として残余財産の帰属すべきものに関する規定を設ける場合には、以下の者に限られることとなりました。(44条Ⅳ)
① 国又は地方公共団体 ② 公的医療機関の開設者
③ ②に準ずるものとして厚生労働大臣が定めるもの
④ 財団たる医療法人又は社団たる医療法人で持分の定めがないもの
(10)基金制度の創設
医療法人の非営利性を強化する趣旨から、平成19年4月1日以降は、出資持分の定めのある医療法人の新規設立は認められなくなりましたが、医療法人が必要な資金を調達する手段を確保するため、定款の定めるところにより基金制度を採用することが可能になりました。(30条38)
上記趣旨から、現行の持分の定めのある医療法人については採用できません。
2.社会医療法人制度の創設
(略)
3.医療法人の作成書類等にかかる見直し
(1)作成書類について(51条)
医療法人についての決算報告の作成書類として、事業報告書と監事の監査報告書が追加されました。
<改正後の作成書類>
財産目録、貸借対照表、損益計算書、事業報告書、監事の監査報告書
(2)備え置くべき書類及び閲覧書類の範囲(51条の2)
医療法人は、上記作成書類について、事務所に備え置き、正当な理由がない限りは、閲覧に供させなければなりません。
閲覧対象者としては、債権者および社員、評議員です。
(3)都道府県に届け出るべき書類の範囲及び閲覧(52条)
医療法人は、毎会計年度終了後3ヶ月以内に、作成書類をその副本を添付の上、都道府県知事に届け出なければなりません。
また、都道府県知事は、定款又は寄附行為および上記の書類につき、請求があった場合には、これを閲覧に供することとなっております。過去3年分の書類が対象です。